自分が主人公のドロの一次創作 ドロの精神が世界の果てまで行って拾ってきたお話や、実録を入れて作ったお話、書いたからぜひ読んでね! ※二次創作フリー、許可不要 #氷芽野物語 サイトに掲載できない作品がpixivにあります。みてね! https://www.pixiv.net/users/85433609
氷芽野物語

母艦01

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1節

「新しく入ってくる隊員の方はどんなでしょうね?」
「そうだな。俺と同じ軽装歩兵クラスらしいが、楽しい奴かな?」
Oは答えながら、手に持った注射器をくるくると回す。ドロはその軽快な様子を見つめていた。
「へぇ〜〜〜、ここにはこんな子犬たちもいたんだねぇ……」
突然、滑るような声が響き、ドロは震えた。振り向くと、そこには奇妙な笑みを浮かべた不審者が立っていた。
「うわっ、どっから出てきた! てかお前誰だよ!」
二人は一緒に驚いたが、ドロはその存在感に圧倒されていた。現れた若い女性の姿はどこか異質で、不気味さを漂わせている。背中に装着された機械のケーブルが、二人を威圧するようにうごめく。
「銃持ってる!! Oさん! 危ないですよ!」
ドロはOにしがみつく。
その親密な様子を見た不審者は嘲った。
「怯えちゃって、可哀想な子犬が2匹! それ、あんたの恋人? 可愛いね……」
「あ?」
Oは彼女を睨み返したが、ドロはその間にも自分の胸の音の大きさにうろたえていた。
「あわわ……」
ドロの言葉が詰まって出てこない。
「大事にされてるみたいだね? 玩具にしちゃおうかな……」
不審者の手が顎を持ち上げ、ドロの恐怖は頂点に達した。彼女は何もできずに震えていた。
「あわわわわ……」
「おいドロ、あっち行っとけ」
Oはドロの前に立ち、彼女の背中を押して促した。
「はい……」
ドロは言われるままに動こうとしたが、毒々しい色に塗装されたケーブルが彼女を捕らえた。
「おっと、逃さないよ?」
無機質な付属肢が少女の体に巻きつき、締め付ける。
「離してください!」
ドロは叫んだが、不審者の笑みは変わらなかった。
「てめえ、触んなよ、殺されてえのか?」
Oは低い声を出す。
「何イキってんの? 独占欲ってやつ?」
しかし、不審者は楽しげに挑発するばかりだった。
それを見てドロは考える。Oが怒ってる……なんとかできないかな……?
「あの……あなたは誰なんですか?」
ドロは恐怖の中でも、相手の立場を理解する案が浮かんだ。
「わぁ、アタシに興味を持ってくれるなんて嬉しいね……あっちでゆっくりお話しようか?」
彼女の言葉に、ドロは一瞬、希望を持ったが、その意味ありげな表情を見て冷や汗が浮かぶ。
「絶対にダメだ」
Oはドロを抱きかかえ、走り去った。ドロの胸はまだ激しく上下していたが、少しだけ安心感を覚えた。
「あんなに反応されたらたまんないなぁ……」
彼女、Aはその場にたたずんだまま、二人の後姿を見つめて、愉快そうに微笑んだ。灰色の瞳には獲物の姿が映っていた。

2節

Oとドロは待機室へと駆け込んだ。この部屋は白くなめらかな壁に囲まれた内装になっている。同じく白いテーブルと椅子が多数あり、隊員たちがくつろいでいた。マグカップや雑誌が見える。
男の腕の中で縮こまっている女の子を見て、青い建築用ロボット、Pが声をかけた。
「どうしたの?」
彼は心配そうなエモティコンを液晶に浮かべ、2人を見つめている。
「変な奴に絡まれた」
Oの答えを聞いてPは少しかがみ、ドロに目線を合わせた。「大丈夫? 何かされた?」
「えっと……脅かされたけど、怪我はしていません」
ドロは答えながら、Aの異様な雰囲気を思い出して身震いした。「あの人、危うい感じです……」
Pは優しくうなずいた。
「O、ドロはここに置いて一緒に行ってみよう」彼はそう言ってOの腕からドロをそっと持ち上げ、近くの椅子に座らせた。
「そうだな。あいつがドロに触らないようにする必要がある」
しかし、心の中で考えていた。
「私、考えましたが、あの人は新しくきた隊員じゃないですか?」
「あー、そろそろ新年度だし、タイミング的にそうかもな……でもあいつ、いい奴じゃなさそうだぜ」
Oは顔をしかめて答えた。
「でも、これから仲良くなりましょう」
「お前、あいつと仲良くなりたいの?」
「はい」
ドロはきっぱりと言った。Oは驚いた。
「なんでだよ?あいつ、目がやべえぞ。女捕まえて玩具にする気満々な目だ」
「でも、仲良くなればきっと役に立つ人になりますよ」
ドロは彼女の腕に触れていたOの手を外して立ち上がった。
「Oさん、行ってきますね」
「待てよ、俺も行く」
Oも立ち上がり、ドロの後を追った。Pは二人の後ろ姿を見送りながら不思議そうに呟いた。
「あの子は怖くないのかな?」
***
初めて会った部屋に戻ると彼女はまだそこにいて、窓の外の星を眺めていた。
「こんにちは!」
ドロは駆け寄って声をかけた。
Aは振り返り、彼女の姿を見た。二つ結びの少女は、真っ白な百合のような雰囲気をまとっていたが、瞳が奥深く見えた。
「おや?どうしたのかな?」
彼女は微笑み返したが、その笑顔には何か含みがあった。ドロは思わず息を呑んだが、勇気を出して続けた。
「新シーズンが始まりますね!これから一緒に頑張りましょうね」
「一緒に?」
彼女は不思議そうに首を傾げた。「アンタはアタシの何なワケ?」
ドロは少し考えた後、明るい笑顔を作った。
「私は……あなたのお友達です!」
彼女は冷たい微笑をした。
「へぇ……」
ドロはここで引き下がってはならないと思った。それに、OとPも応援してくれているはずだ。
「私、あなたと仲良くなりたいんです」
ドロの言葉に
「そう」
Aは短く答えた。そして、ドロの顔をじっと見つめながら続けた。「じゃあさ、アンタのその愛らしさでアタシを楽しませてよ」
「愛らしさ……?」
ドロは戸惑ったが、Aは彼女の反応を無視して続けた。「アタシはアンタのことが気に入ったから、もっと仲良くなりたいな」
ドロは少し考えてから答えた。
「わかりました!頑張ります!」
ドロの明るい返事に、彼女は満足げな笑みを浮かべた。そして、ゆっくりとした動作で立ち上がり、ドロに近づくと囁いた。
「楽しみにしてるよ」
別の日。
Oとドロは母艦の大きな窓がある通路で駄弁っていた。
「Oさん、今日の服どうですか?!」
「そうだな。可愛いと思うぜ」
「やった!」ドロはその場で小さく跳ねて喜んだ。Oはデバイスでその動画を撮った。
じっと動画の映りを確認しているので、ドロは不満になった。
「Oさん! 動画ばかり見ないでください!」
「ああ、すぐ終わる」
突然、ある視線を感じた。振り返るとAが立っていた。彼女はゆっくりと距離を詰めると口を開いた。
「アンタたちっていつも一緒にいるの?」
「……まあな」
「仲良いんだねぇ」
ドロはもう彼女に慣れていた。
「Aさん、Oさんとの衣装交換、素敵でしたね!」
「え? そう?」Aは意外そうな表情をした。「あれは、シンジケートが勝手にやっただけだよ」
ドロは楽しそうに話し続ける。
「私も衣装交換してみたくなりました!」
「アンタに似合う服用意してあげるよ」
「本当ですか?!楽しみです!」
Oは二人が話す様子を見て、少し心配になった。
「一体どんな服なんだ?」
「それはもちろん、アタシの好みに……」
OはAの言葉を遮った。「やっぱいい」
「どうして?」
「ドロに、変な服着せたら台無しだ」
「私は着てみたいですよ? でもOさんも選んでくださいね?」
ドロの返答に、Aは笑った。Oもつられて笑い出した。ドロは二人の反応を見て驚いた。
その日の夜、Aからのメッセージが届いた。その内容を見たドロは驚きのあまり言葉を失った。そこにはこう書かれていたのだ。
“アタシたちは親友になった”

ドロへ

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